回復期リハビリテーションをご希望の方へ
回復期リハビリテーション病棟とは
回復期リハビリテーション(リハビリ)病棟とは、急性期の治療が終了した患者さまが、自宅退院(在宅復帰)や職場復帰のために集中的なリハビリテーションを実施する病棟です。回復期リハビリの対象となるのは、脳卒中・骨折・心臓病・肺炎治療後などで急性期の治療が終わったあと、体力低下や身体機能低下のため直接自宅へ退院することができず、リハビリの継続や退院支援が必要な患者さまです。
リハビリ室でのリハビリだけでなく、病棟での生活もリハビリととらえ、実際の生活場面での介入も積極的に行っています。
回復期病棟の目的
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身体機能改善(できる力を取り戻す)
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家庭・社会復帰(普段の生活に戻る)
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心理・生活の満足感(自信・安心感を取り戻す)
入院予約から退院まで
入院予約から入院まで
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地域連携室への情報提供
急性期病院相談室(地域連携室)から当院地域連携室に患者さまの情報を送っていただきます。
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受入れ回答・日時決定
24時間以内に急性期病院へご連絡致します。
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入院(転院)
転院時の移動方法については、急性期病院の指示に従いご来院ください。
病院種別ごとに定められた入院対象者・入院上限
| 入院対象患者 | 入院上限日数 |
|---|---|
| 脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、 脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後若しくは手術後の状態 または義肢装着訓練を要する状態 |
150日 |
| 高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頚髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 | 180日 |
| 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節若しくは膝関節の骨折又は二肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態 | 90日 |
| 外科手術又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態 | 90日 |
| 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋又は靱帯損傷後の状態 | 60日 |
| 股関節又は膝関節の置換術後の状態 | 90日 |
| 急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態 | 90日 |
回復期リハビリテーションの区分について
当院の回復期リハビリテーション病棟は、厚生労働省が定める最も厳格な基準を満たした「入院料1」の施設基準を取得しています。これは、リハビリ専門医やセラピストの手厚い人員配置に加え、多くの患者様が自宅へ復帰されているという「高い実績」が認められた安心の証です。
入院から退院までの流れ
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入院
- 医師の診察と医療相談員の面談
- 身体機能・生活動作を確認
- 初日からリハビリテーションを実施
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入院カンファレンス
多職種で患者さまの状態や生活背景を共有し、リハビリの方向性と目標を決めます。
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定期カンファレンス
月1回、多職種で回復経過や課題を共有し、今後のリハビリ・退院方針を検討します。
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中間カンファレンス
ご家族様(キーパーソン)を交え再確認した目標に向けて各職種が退院を支援していきます。
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退院前カンファレンス
ご家族様を含めて話し合い目標の確認をしていきます。
- 屋外活動
- 外泊練習
- 家族指導
- 装具・福祉用具選定
- 退院支援は『医療ソーシャルワーカー(MSW)』が対応いたします
―入院中から患者さまやご家族と関わり、退院後の生活をイメージしながら安心して準備できるよう橋渡し役を担います。

歩行器の選定 
屋外活動 -
当院での1日の過ごし方
入院中のある1日の流れ
個々のリハビリプログラムに基づいて、リハビリテーションが行われます。
※図は一例です。患者さまによりスケジュールは日々異なります。
1日のスケジュール
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6:00〜
起床
洗面、整容、朝ご飯の準備をして、デイルームへ移動します。
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8:00〜
朝食
朝は基本パン食ですが、摂食嚥下の状態や病状に合わせ粥に変更可能です。
飲み物は基本牛乳ですが、苦手な方にはジュース、ヨーグルト(食べるタイプ)もご用意しております。
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9:00〜
リハビリ・入浴など
理学療法・作業療法・言語療法など、一人ひとりに合わせたリハビリを実施します。
午前中は体調を確認しながら、機能回復に向けて取り組みます。
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12:00〜
昼食
食事は一般食と治療食、食事の形態は普通・一口大・刻み・刻みとろみ・ミキサー食があり、患者さまの状態に合わせて提供しております。
昼食時に管理栄養士がラウンドしており、摂取状況やむせていないかなど、直接顔を見て聞き取り、確認しています。
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13:00〜
リハビリ・入浴など
午後も引き続きリハビリを行います。
1日2~3時間のリハビリに加え、入浴などの生活支援も組み合わせ、無理なく回復を目指します。
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18:00〜
夕食
昼食のラウンド内容を夕食に反映し、量の調整や主食の種類の変更、食事が進まない方には栄養補助食品を提供します。
栄養補助食品は患者さまの嗜好に合ったものを提供し、摂取状況を確認しています。
ご自宅にいる時のように嗜好に合った食事はお出しできませんが、安心して食べていただき、食事も治療の一環として元気に退院していただけるような対応を心がけています。
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22:00〜
就寝
病室の消灯時間は22:00です。消灯後のテレビ・ラジオ等のご利用はご遠慮ください。
食事について
- お食事の時間は、朝食 8:00、昼食 12:00、夕食 18:00です。
- 回復期リハビリテーション病棟にご入院の方は、デイルームでお召し上がりください。
入浴について
- 医師の許可を得られた方を対象に、所定の日程でご利用いただけます。
| 機械浴 | 原則週2回実施 |
|---|---|
| 車椅子介助浴・自立見守り浴 | 原則週2回実施 |
| 独自浴 | 原則週2回実施 セラピストによる評価の結果、浴槽への湯張りから入浴終了までの一連の動作をお一人で安全に行えると判断された方が対象です。 |


リハビリテーションプログラムについて
心臓リハビリテーションとは?
- 心臓リハビリテーションは、心不全や心筋梗塞の治療後、また心臓や大動脈の手術後に、心臓の状態に合わせて安全に体力を回復・向上させる医療プログラムです。
- 医師・理学療法士・看護師・管理栄養士など多職種が連携し、運動療法、疾病管理、生活指導、栄養サポートなどを行います。心電図や血圧を確認しながら運動療法を安全に進め、社会生活への円滑な復帰と再発予防を支援します。
- 北大阪ほうせんか病院では、整った施設設備と専門スタッフの配置により、質の高い心臓リハビリを提供しています。(心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)認定施設)

どんな人が心臓リハビリテーションに参加できるのですか?
心臓病や血管病のために体力(運動能力)が低下している患者さまで、家庭復帰・社会復帰やリハビリに対する前向きな気持ちがある方が対象です。年齢制限はありませんが、寝たきりの方や認知機能高度低下の方は対象外となります。

対象となる病気
※心不全と足の血管病は、回復期リハビリ病棟の対象疾患として認められていないため、廃用症候群という病名でリハビリを実施します。
心臓リハビリテーションの期間に制限はありますか?
- 心臓リハビリの開始日から、入院・外来期間を合わせて150日後まで健康保険が認められており、また150日を超えて継続が必要な場合は延長が可能です。
- 回復期リハビリテーション病棟の入院期間の上限は90日で、平均は60日前後です。

心臓が悪い人が運動をしても大丈夫ですか?
30年前までは、「心臓病は安静が大切」と言われていました。しかし、長期間安静にしすぎると、筋肉萎縮・自律神経異常・骨粗鬆(しょう)症により、かえって体力が衰えてしまいます。最近の研究の結果、安定している心臓病では、適切な運動により、安静を続けるよりもよい効果が得られることや、心臓リハビリにより再入院が減ることが明らかにされています。
心臓病の治療ガイドラインでは、心臓病の患者さまが心臓リハビリに参加することが強く推奨されています。
心臓リハビリテーションによって得られる効果
- 心臓病の患者さまが心臓リハビリに参加することにより、体力(運動能力)が改善し、息切れしにくくなり、日常生活で動くことが楽になります。
- 「動いても大丈夫」という実感が得られ、自信が回復し、生活の質(QOL)が良くなります。
- 糖尿病・コレステロール異常・高血圧・肥満などにもよい効果があり、動脈硬化の進行を予防できます。
- 心不全による再入院や心臓病による死亡リスクを下げます。

心臓リハビリによって得られる効果
心臓リハビリを行うことにより、心臓病を持ちながらでも快適で活動的な生活を長く続けることができる、すなわち健康寿命の延伸が期待できます。
北大阪ほうせんか病院の心臓リハビリテーション
北大阪ほうせんか病院には急性期(地域包括医療)病棟と回復期リハビリ病棟があります。急性期病棟では病気の治療・リハビリ・退院支援を行い、回復期リハビリ病棟では集中的なリハビリを行います。病状により入院していただく病棟が異なりますが、どちらの病棟でも心臓リハビリを受けることができます。

- 当院は、心大血管疾患リハビリの認定施設として、回復期リハビリ病棟、専用リハビリ室、心臓リハビリ用の医療機器が整備されており、患者さまが安全で適切な心臓リハビリを受ける環境が整えられています。
- 心臓リハビリを実施するスタッフとして、循環器専門医・心臓リハビリ認定医の資格を持つ常勤医師や心臓リハビリの研修を受けたリハビリ療法士のほか、看護師・管理栄養士・検査技師などの専門職が心臓リハビリチームを作って活動しています。
- 心臓リハビリを実施するハード面、ソフト面の両方の環境が整備されているため、質の高い心臓リハビリを受けていただくことができます。
- 下の図のように、心臓病・血管病向けの心臓リハビリプログラムが整備されており、患者さまお一人おひとりに最も適したリハビリ訓練や生活指導を実施しています。
心臓リハビリテーションプログラム内容
入院後、50m歩行が可能になるまでの期間は、病棟内でリハビリを行います。50m歩行が可能な人は、リハビリ室で心電図を付けて心臓リハビリの運動トレーニングを行います。
心臓リハビリで行うことは、①運動療法、②機能評価、③健康教室(学習)、④個人面接(生活指導、相談など)の4つです。
① 運動療法
患者さまお一人おひとりに最も適した運動の強さや時間を決め、スタッフの監視のもとで心電図を確認しながら安全に、ストレッチ・有酸素運動(歩行・自転車こぎ)・筋力トレーニングなどの運動トレーニングを行います。
また退院後にご自身で運動療法を実施できるよう、在宅運動療法について指導を行います。
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室内トラック歩行と自転車エルゴメーター運動
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自転車エルゴメーター運動
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筋力トレーニング(集団でスクワット運動)
② 機能評価・運動負荷試験
運動療法の効果が出ているかどうか、定期的(約1ヶ月毎)に検査を行い確認します。検査には、血液検査、体組成、歩行テスト、筋力テスト、心肺運動負荷試験(CPX)などがあります。
検査の結果に基づいて、個別の運動トレーニングの内容の見直し・調整を行います。
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膝伸展筋力測定
③ 心肺運動負荷試験(CPX)
心肺運動負荷試験(CPX)は、自転車こぎ運動中の吐く息の中の酸素と二酸化炭素を測定することにより、心臓(血液循環)と肺(呼吸)の働きを測定し、息切れの原因究明・運動能力評価・治療効果の判定・最適なトレーニング強度の決定に役立つ検査です。医師と臨床検査技師が立ち合い、血圧・心電図をモニターしながら実施します。この検査で測定される最高酸素摂取量(Peak VO2)は、最も信頼できる運動能力の指標とされています。
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運動能力評価のための心肺運動負荷試験(CPX)
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CPX検査結果の例:心臓リハビリにより、運動能力(Peak VO2)が39%増加しました
④ 健康教室 (心臓病・食事療法・日常生活についての学習)
心臓病の原因、治療と予防方法、食事療法、日常生活での注意事項など、11項目について毎週1~2回、健康教室で講義を受講していただきます。
講義は、医師・看護師・リハビリセラピスト・管理栄養士・薬剤師が担当します。
健康教室の予定表は、トップページのトピックス欄をご覧ください。

⑤ 個人面接(運動指導・生活指導と面談)
医師がリハビリの進行状況や検査結果を確認し、患者さまお一人おひとりに対してリハビリ内容の見直しや指導を行います。
看護師やリハビリ療法士が、病気の相談、運動、食事、日常生活の注意、不安や抑うつなどについて定期的に面談し、指導や適切なアドバイスを行います。

運動療法の危険性(リスク)と留意事項について
- 発生率は非常に低率ですが、運動療法中に胸痛・不整脈・血圧低下・めまい・心臓発作などが起こる可能性があります。しかしこれらを避けるため救急機器や医薬品が整備されており、また医療スタッフが常に監視を行いますので、自宅でひとりで運動をおこなうよりは安全です。
- 強すぎる運動は健康に有害なことがあり、弱すぎる運動では効果が得られません。運動療法を安全に行うために、指示された運動の強さや時間を守っていただくことが大切です。

退院後の生活とリハビリ
- 当院を退院後は、元の急性期病院またはかかりつけクリニックの外来診察に通院していただくことになります。退院時にご希望の医療機関あてに紹介状を作成します。
- 心臓リハビリの効果は、運動をやめると徐々に失われていきます。効果を持続させるためには、退院後も外来通院心臓リハビリやご自身による在宅運動療法を続けていただくことが大切です。
- 退院後は、週1~3回の外来通院リハビリに参加されることをお勧めします。外来通院リハビリと在宅運動療法を合計して週5回の運動回数が目標です。
- 5ヶ月間の心臓リハビリ保険期間の終了後は、ご自分で生涯にわたって運動習慣を継続することが大切です。病状によっては、外来心臓リハビリが5ヶ月を超えて延長される場合もあります。
在宅運動療法10ヶ条:安全で効果的な運動療法のために心がけること
- 運動の種類は、体操、早足歩き、軽い筋トレなどがお勧め。
- 運動の強さは、最大能力の40~60%が適切。
- 1日の運動時間は、30~60分。20分×2回でもOK。
- 運動回数は週5~7回。週2回以下では不足です。
- 自己検脈を覚えて、適切な脈拍で運動する。
- 60歳を過ぎたらジョギングより歩行が安全。
- 開始前に必ず準備運動(ウォームアップ)を。
- 起床直後・食直後の運動は避け、1時間以上空けましょう。
- 夏は脱水予防の水分補給、冬は露出部を覆う防寒を心がける。
- 疲れ気味や体調不良ならその日は無理せず休みましょう。
心臓リハビリテーションの費用
心臓リハビリは健康保険でカバーされており、3割負担の方と1割負担の方とでは料金が異なります。回復期リハビリ病棟に入院する場合と外来心臓リハビリに通院する場合の費用(自己負担額)の概算は以下のとおりです。
| 69歳以下で3割負担の場合 | 75歳以上で1割負担の場合 | |
|---|---|---|
| 回復期リハビリ病棟の入院費用1ヶ月分(個室料金を除く) | 年収370〜770万円なら高額療養費制度利用で約15万円 | 年収156〜370万円なら高額療養費制度利用で約6万円 |
| 外来心臓リハビリ費用 1回分 | 約2,000円 (毎月初回のみ約3,000円) |
約700円 (毎月初回のみ約1,000円) |
※高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費が自己負担限度額を超える場合に、超過分が後日払い戻しされる制度です。自己負担限度額は年齢や年収により異なります。
脳卒中とは?どんな症状・後遺症が起こるの?
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで起こります。障害を受けた脳の部位によって現れる症状はさまざまです。

| 手足の麻痺 | 片側の手・腕・足に力が入らない、動かしにくい |
|---|---|
| 言語障害 | 言葉が出ない、うまく話せない、言葉が理解できない(失語症) |
| 嚥下障害 | 食べ物・飲み物が飲み込みにくい、むせやすい |
| 視野・感覚障害 | 視野が欠ける、手足のしびれ・感覚が鈍い |
| 認知・記憶障害 | 物忘れ、集中できない、段取りが組めなくなる |
| バランス障害 | ふらつく、立てない、歩行が不安定になる |
これらの後遺症は、早期からの適切なリハビリによって回復・改善が期待できます。
なぜ「早期」が大切なの?
脳は損傷を受けた後も、残存する神経細胞が新たなネットワークを形成しようとします(脳の可塑性)。
この「脳の回復力」を最大限に引き出すには、発症後できるだけ早くリハビリを開始することが重要です。

| 急性期(発症〜約2週間) | 命を守る治療と並行してリハビリを開始。ベッド上運動・起き上がり練習などから始めます。 |
|---|---|
| 回復期(約2週間〜6ヶ月) | 最も回復が期待できる時期。歩行・日常動作・言語機能を集中的に鍛えます。 |
| 生活期(6ヶ月以降〜) | 在宅・通所リハビリで機能を維持・向上。生活の質を守りながら社会参加をサポートします。 |
当院では急性期から専門チームが関わり、回復のゴールデンタイム(数週〜数ヶ月以内)を逃さないリハビリを提供します。
具体的な訓練内容
各職種が連携し、病棟での日常生活全体をリハビリの場としてとらえ、毎日の生活を通じた回復を支援します。
理学療法士(PT)|歩行・運動機能訓練
寝返り・起き上がり・立ち上がりの練習から始まり、平行棒→歩行器→独歩へと段階的に歩行訓練を進めます。バランス・体幹の安定性トレーニング、階段昇降・屋外歩行練習も行います。

作業療法士(OT)|手を使うトレーニング・日常生活動作訓練
患側(麻痺側)の細かい動きや握力などの筋力訓練、食事・着替え・入浴などの日常生活動作の訓練を行います。利き手交換が必要な場合の適応訓練や、自助具(補助器具)の活用指導も担います。

言語聴覚士(ST)
高次脳機能
言葉を話す・聞く練習(失語症訓練)、発音・声の明瞭さのトレーニング(構音障害)、コミュニケーション手段の工夫・代替手段の検討のほか、注意・記憶・遂行機能といった高次脳機能の訓練も行います。

嚥下訓練
食べる・飲み込む機能の評価を行い、一人ひとりの状態に合わせた嚥下訓練を実施します。
口や舌の運動、食べ方や姿勢の調整を通して、安全に食事を楽しめるよう支援します。

チームで取り組む“多職種連携リハビリ”
リハビリは療法士だけが行うものではありません。
当院では以下の専門職が密に連携し、患者さまの情報をチーム全体で共有しながらリハビリを進めています。
| 職種 | 役割 |
|---|---|
| 医師 | 全体的な治療方針の決定・医学的管理 |
| 理学療法士(PT) | 起き上がり・歩行など基本動作の回復 |
| 作業療法士(OT) | 食事・着替えなど日常生活動作の回復 |
| 言語聴覚士(ST) | 言葉・コミュニケーション・飲み込みの回復 |
| 看護師 | 病棟での医学的ケアと生活訓練の継続 |
| 管理栄養士 | 栄養状態の管理・食事形態の調整 |
| 医療ソーシャルワーカー | 退院後の生活・福祉サービスの相談 |
それぞれが専門性を発揮しながら、定期的なカンファレンスで情報を共有します。「この患者さまに今何が必要か」を常にチーム全体で考えています。目標に向かってチームで共同して患者さまの退院を支援していきます。
“一度計画したら終わり”ではないリハビリ計画
当院のリハビリで大切にしていることの一つが、PDCAサイクル(評価→計画→実施→再評価)を繰り返しながら、常に最適なプログラムを提供し続けることです。
| ① 計画(Plan) | 入院後まず、身体機能・認知機能・言語機能・日常生活動作・栄養状態など、多角的な視点から現状を詳しく評価します。 評価結果をもとに、「退院後どんな生活を送りたいか」という患者さまご本人・ご家族の希望も取り入れながら、具体的なリハビリ目標とプログラムを立案します。 |
|---|---|
| ② 実施(Do) | 多職種が連動してリハビリプログラムを実施。病棟での日常生活そのものもリハビリの一部として位置づけ、24時間を通じた回復を意識した関わりを行います。 |
| ③ 再評価・更新(Check & Action) | 定期的に機能評価を行い、回復の経過や変化に応じてプログラムを見直します。「効果が出ているか」「目標を修正すべきか」「訓練負荷をどう調整するべきか」をチーム全体で検討し、常にその方にとって最善の内容へとアップデートし続けます。 |
めざすのは“その人らしい生活”への復帰
リハビリの目標は、数値上の機能回復だけではありません。「また家族と食卓を囲みたい」「庭の手入れを再開したい」「孫と散歩したい」——そんな一人ひとりの願いに寄り添い、在宅復帰・社会復帰を見据えた実践的なリハビリを提供します。
回復には個人差があります。焦らず、しかし諦めず。専門チームが最後まで伴走します。

病棟内リハビリ設備
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平行棒
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右半身麻痺疾患用トイレ
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左半身麻痺疾患用トイレ
運動器疾患とは?どんな病気・けがが対象になるの?
骨・関節・筋肉・靭帯・腱・神経など、体を動かすための組織(運動器)に生じた病気やけがの総称が「運動器疾患」です。骨折や手術後の回復はもちろん、長年の使いすぎや加齢による変性疾患、スポーツ外傷など、その対象は幅広く、あらゆる年代の方が対象となります。当院では以下のような疾患・状態に対して専門的なリハビリを提供しています。

| 骨折・外傷 | 大腿骨頸部骨折(股関節の骨折)・脊椎圧迫骨折・上肢骨折(橈骨遠位端骨折など)・足関節骨折など。高齢者に多い骨折では、手術後できるだけ早く離床・歩行訓練を開始することが回復の鍵となります。 |
|---|---|
| 変形性関節症 | 膝・股関節・足関節などの軟骨がすり減り、痛みや可動域の制限が生じる疾患です。人工関節置換術(TKA・THA)後のリハビリも積極的に行っています。 |
| 脊椎疾患 | 腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニア・頸椎症など。手術後はもちろん、保存療法(手術をしない治療)の状態から機能訓練・姿勢管理を中心としたリハビリを行います。 |
| 肩・肘・手の疾患 | 腱板断裂・五十肩(肩関節周囲炎)・肘関節疾患・手指の腱損傷など。日常生活での細かい動作に直結するため、機能回復と生活動作の両面からアプローチします。 |
具体的な訓練内容
各職種が連動し、病棟での日常生活全体をリハビリの場としてとらえ、24時間を通じた回復を支援します。
理学療法士(PT)|動作・歩行・筋力の回復
運動器リハビリの中心を担うのが理学療法士です。関節可動域の拡大(硬くなった関節をほぐす・自重をかける等)、筋力強化トレーニング、歩行訓練(松葉杖・歩行器・独歩への段階的移行)、バランス訓練を行います。骨折や人工関節の術後では荷重量(どれだけ足に体重をかけてよいか)を医師の指示のもと管理しながら、安全に歩行能力を回復させます。術後急性期には浮腫(むくみ)の管理や血栓予防の運動指導も行い、全身状態に気を配りながらリハビリを進めます。

作業療法士(OT)|手・上肢と日常生活動作の回復
上肢(肩・肘・手)の骨折や手術後の回復、手指の細かい動きの訓練を担います。食事・着替え・整容・家事動作など、日常生活で実際に必要な動作の訓練も行い、「病院の廊下は歩けるが、家での生活が不安」という状態を残さないよう取り組みます。退院後の自宅環境に合わせた動作指導や、必要に応じた住宅改修・福祉用具の提案も行います。

装具・補助具の活用
リハビリでは徒手的な訓練だけでなく、装具(サポーター・コルセット・足底板など)や歩行補助具(杖・歩行器)の適切な活用も重要です。理学療法士・作業療法士が患者さまの状態に合った装具・補助具を選定し、正しい使い方を指導します。
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当院では、脳卒中の患者さまに対し、ゲイトジャッジシステムとゲイトイノベーションという装具を使用して、歩行練習・評価をしています。ゲイトジャッジシステムを使用すると、筋肉の動きや力のかかり方が可視化でき、それらを見ながら治療が可能となっています。
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脳卒中や脊髄損傷、末梢神経障がいにより機能不全に陥った手足の機能を補完しながら、立ったり歩いたりする練習を行います。
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振動刺激を用いて効果的に筋力トレーニングやストレッチングを行います
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低周波の電気刺激で筋肉や神経に働きかけ、痛みの軽減や筋力の維持・向上を目的とする治療です。症状や状態に合わせて刺激量を調整します。
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超音波を利用して、患部を温めたり、炎症を鎮静化したりする効果があります。
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吊り下げ式免荷装置は、体重の一部を支えながら歩行練習を行う機器です。下肢への負担を軽減し、立位や歩行が不安定な方の歩行練習を行うことを目的とします。
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リクライニング型車椅子(青)や標準型車椅子(黒)は、各部位を微調整できるようになっており、それぞれの体形や姿勢に合わせることが可能で、安楽に座っていただけます。
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患者さまの状態に合わせてさまざまな歩行器を使用します。安全性と歩きやすさを高め、一人ひとりの「自分らしく歩く」をサポートします。
多職種チームで支える整形リハビリ
整形・運動器リハビリテーションも、療法士だけで完結するものではありません。
患者さまの状態をチーム全体で共有し、安全で効果的なリハビリを提供しています。
| 職種 | 役割 |
|---|---|
| 整形外科医 | 手術・治療方針の決定、荷重制限・活動制限の指示、定期的な画像評価 |
| 理学療法士(PT) | 歩行・筋力・バランス・関節可動域の回復訓練 |
| 作業療法士(OT) | 上肢機能・日常生活動作・退院後の生活環境調整 |
| 看護師 | 術後の創部管理・疼痛コントロール・病棟でのリハビリ継続 |
| 管理栄養士 | 骨・筋肉の回復に必要な栄養管理(タンパク質・カルシウム・ビタミンDなど) |
| 医療ソーシャルワーカー(MSW) | 退院先の調整・介護保険申請・福祉サービスの相談 |
定期的なカンファレンスでこれらの職種が情報を共有し、「今この患者さまに何が必要か」を常にチーム全体で考えながらリハビリを進めています。
PDCAサイクルで「その人に合ったリハビリ」を提供する
整形リハビリも、入院時の評価で決めたプログラムをそのまま続けるわけではありません。
「骨がついたから終わり」「手術が成功したから終わり」ではなく、日常生活・仕事・趣味への復帰まで見据えた継続的なサポートを行います。

| 評価(Plan) | 入院時に関節可動域・筋力・歩行能力・疼痛・日常生活動作を詳しく評価し、退院目標と具体的なプログラムを立案 |
|---|---|
| 実施(Do) | 個別リハビリに加え、病棟での日常動作もリハビリの一環としてとらえ、看護師と連携して24時間を通じた回復を支援 |
| 再評価(Check) | 定期的に関節可動域・筋力・歩行状態を再測定し、回復の経過を客観的に確認 |
| 改善・更新(Action) | 回復状況や残存する問題に応じてプログラムを修正。術後の荷重制限が解除されるタイミングなど、医師の判断を受けてリハビリの内容もステップアップ |
回復の見通しと退院後の生活
回復のペースは疾患・年齢・手術内容・術前の体力などによって大きく異なります。当院では入院時に詳しく評価を行い、患者さまとご家族に対して回復の見通しを丁寧にご説明します。「いつ頃歩けるようになるか」「退院後はどんな生活ができるか」という具体的な見通しを共有することで、リハビリへの意欲と安心感を支えます。転帰先の決定や退院前など節目にはご家族と担当者でカンファレンスを行い、現状の共有・今後の展望など見据えながら方向性の共有を行います。
また入院中に介助方法の指導や退院後も、外来リハビリでの継続的な機能訓練、訪問リハビリによる自宅での生活支援、地域のかかりつけ医・ケアマネジャーとの連携を通じて、生活を継続してサポートします。
転倒予防・再骨折予防にも力を入れています
一度骨折を経験した方は、再骨折のリスクが高まります。当院では退院前に転倒リスクの評価と指導を行い、自宅での安全な生活環境の整え方や、骨粗鬆症治療の継続についてもご案内します。「また同じことにならないように」という不安に、リハビリの側面からもお応えします。焦らず、しかし諦めず。専門チームが、骨折・手術の翌日から退院後の生活まで、一貫して患者さまの回復に寄り添います。

転倒予防
回復期リハビリテーション病棟では、多くの職種が患者さまに介入しています。
また、外国人のケアワーカーの方にも働いていただいているため、スタッフ間の情報共有の一環としてピクトグラムを活用しています。
言葉だけではなく一目でわかるよう、移動方法や安静度、介助方法などを患者さま一人ひとりに掲示し、
スタッフによって介助方法が変わることのないよう患者さまの状態変化に合わせて対応し、転倒予防に努めています。
転倒・再骨折予防のための評価と指導
入院中に歩行能力や筋力、バランス能力などを評価し、一人ひとりの転倒リスクを確認します。手すりの設置や段差への対応、履物の選び方など、ご自宅で安全に過ごすための環境づくりについても具体的にご提案します。退院後の生活を見据えた実践的なアドバイスで、再骨折の予防を支援します。
骨粗鬆症治療との連携
骨折を繰り返さないためには、骨折の治療だけでなく骨粗鬆症への継続的な治療も重要です。当院では医師や看護師、薬剤師など多職種と連携し、薬物療法や栄養管理、運動療法などを組み合わせながら、骨の健康維持をサポートします。治療を継続する大切さについても分かりやすくご説明します。
退院後まで見据えた継続的なサポート
退院はリハビリのゴールではなく、新しい生活のスタートです。患者さまの生活環境や目標に合わせて、外来リハビリテーションや地域の医療・介護サービスとも連携しながら、退院後も安心して生活を続けられるよう支援します。「自宅で安全に歩きたい」「趣味や仕事に復帰したい」など、一人ひとりの目標に寄り添いながら、継続的なサポートを行います。
「食べること」は生きることの喜びであり、栄養を摂るという医学的な意味でも非常に重要です。脳卒中や神経・筋疾患・長期的な臥床や安静による廃用症候群によって飲み込みの機能(嚥下機能)が低下すると、食事中にむせる・食べ物が詰まる・知らないうちに食べ物が気管に入る(誤嚥)といった問題が生じます。誤嚥が繰り返されると肺炎(誤嚥性肺炎)につながることもあり、適切な評価と訓練が欠かせません。当院では、専門的な検査機器を用いた精密な評価と、多職種による包括的なアプローチで「食べる力」の回復を支えます。
検査で“見えない障害”を可視化する
嚥下の問題は外からでは分かりにくく、「なんとなくむせる」「食事に時間がかかる」「食べるのがしんどそう」といった症状の裏に、複雑な原因が隠れていることがあります。当院では以下の専門的な検査を実施し、障害の原因・部位・程度を正確に把握したうえでリハビリ計画を立てています。
嚥下造影検査(VF検査/Videofluoroscopy)
造影剤を含んだ食べ物・飲み物をX線で撮影し、飲み込みの一連の動きを動画で確認する検査です。食べ物がスムーズにのどを通過しているのか、気管に入っていないか(誤嚥の有無)、どのタイミングで問題が起きているかを、リアルタイムかつ客観的に評価できます。「むせないから大丈夫」と思っていても、実は誤嚥が起きている“silent aspiration(不顕性誤嚥)”の発見にも有効です。主治医、言語聴覚士、放射線科など多職種で検査を実施。見えてきた問題点や改善点を看護師や栄養科とも共有しながら、患者さまに適した食事形態やとろみを選択します。

嚥下内視鏡検査(VE検査/Videoendoscopy)
細いカメラを鼻から喉へ挿入し、実際の食事場面での喉の動きや食べ物の残留状況を直接観察する検査です。ベッド上でも検査が可能なため、患者さまの状態に合わせて柔軟に対応できます。VF検査と組み合わせることで、より多角的な評価が可能になります。これらの検査結果をもとに「なぜ飲み込めないのか」を科学的に分析し、その方に最適な訓練法・食形態・食事姿勢を決定します。

多部署が連携する「食べることを支えるチーム」
摂食・嚥下リハビリテーションは言語聴覚士だけで完結するものではありません。当院では以下の専門職・部門が密接に連携し、「その人が安全においしく食べられる」環境を総合的に整えます。
| 職種・部門 | 役割 |
|---|---|
| 言語聴覚士(ST) | 嚥下機能の評価・訓練プログラムの立案と実施 |
| 医師 | 検査の指示・誤嚥リスクや肺炎の医学的管理 |
| 看護師 | 食事介助・日常的な口腔ケア・体調観察 |
| 管理栄養士(栄養科) | 必要栄養量の算出・食形態(とろみ・ミキサー食など)の調整 |
| 理学療法士(PT)・作業療法士(OT) | 食事姿勢の調整・上肢機能の改善 |
| 歯科 | 口腔内の清潔保持・口腔機能の維持 |
定期的なカンファレンスでこれらの職種が情報を共有し、「今この患者さまに何が必要か」を常にチーム全体で考えながらリハビリを進めています。
栄養科との連携|食べることを「栄養の専門家」が主体的に支える
摂食・嚥下リハビリテーションにおいて、当院の栄養科は受け身の存在ではありません。管理栄養士がリハビリチームの一員として主体的に関わり、「安全に食べられる」だけでなく「必要な栄養をしっかり摂れる」ことを同時に実現できるよう、積極的に動いています。
フロアごとに管理栄養士が在籍
当院では各病棟フロアに専任の管理栄養士が1名配置されています。患者さまの顔と状態を直接把握した栄養士が担当することで、食形態の変更や栄養補助の判断をタイムラグなく、きめ細かく対応できます。

入院初日からのミールラウンド
入院当日から管理栄養士が、食事の様子を直接観察するミールラウンドを実施しています。「むせていないか」「食べるペースや量はどうか」「食形態は合っているか」を早期に確認することで、誤嚥リスクや栄養不足を入院直後から見逃さない体制を整えています。

週1回の栄養カンファレンス
毎週1回、主治医・看護師・言語聴覚士・管理栄養士など多職種が集まり、栄養カンファレンスを実施しています。訓練の進捗・食形態の段階アップの可否・栄養状態・誤嚥リスクをチーム全員で共有し、「今この患者さまにどのような支援が必要か」を多角的に検討します。「食べる機能の回復」と「栄養状態の維持・改善」は切り離せません。言語聴覚士が訓練で機能を引き出し、管理栄養士が食の中身と量を整える。この二つが連動することで、患者さまの「食べること」を総合的に支えています。

評価・訓練・再評価のサイクルで“食べる力”を引き出す
摂食・嚥下リハビリテーションは、一度プログラムを決めたら終わりではありません。訓練の効果を定期的に検査で確認し、「今の状態に合った訓練・食形態・食事環境」へと常に見直しを行います。
- 訓練内容は機能回復に合わせて段階的にレベルアップ
- 食形態はきざみ食・ミキサー食・とろみ濃度など細かく調整
- 安全に食べられる量・ペース・姿勢を継続的に最適化
「食べることを諦めない」をチームの合言葉に、患者さまお一人おひとりの可能性を最大限に引き出すリハビリを提供しています。食べることへの不安を抱えている方、ご家族の飲み込みが心配な方は、どうぞお気軽にご相談ください。
回復期リハビリテーション病棟での取り組み
多職種連携(カンファレンス・情報共有)
質の高いリハビリテーションは、個々の専門性の高さだけでは生まれません。医師、療法士、看護師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど、異なる場面で患者さまと関わるメンバーが、それぞれの視点を持ち寄ることに真の意味があります。
当院が多職種連携を重視するのは、単なる「情報共有」のためではありません。互いの専門性を融合させて議論することで、一職種では気づけなかった課題を発見し、より精度の高いリハビリ計画を立案するためです。この「チームで関わるプロセス」そのものが、患者さまの回復に直接貢献すると考えています。
そのため当院では、患者さまの状況や入院フェーズに応じた複数のカンファレンスを定期的に開催し、共通の目標に向かって強固に協働しています。
入院初日カンファレンス
入院当日を原則として、担当スタッフ全員が集まり初回カンファレンスを行います。患者さまの病状・生活背景・家族構成・退院先の希望などを早期に共有し、リハビリの方向性と当面の目標を速やかに決定します。スタート時点での情報共有を徹底することで、チーム全員が同じ方向を向いてリハビリを開始できます。

定期カンファレンス
その後は月に1回、定期的にカンファレンスを実施します。各職種がそれぞれの視点から回復の経過・残存する課題・目標の達成状況を報告し、今後のリハビリ方針や退院に向けた計画を多角的に検討します。「訓練では改善しているが、病棟での生活動作はまだ不安定」「栄養状態が思わしくなく、筋力回復に影響している」といった複合的な問題も、多職種で共有することで見落としなく対応できます。

退院を見据えたカンファレンス・家族参加型カンファレンス
退院先の決定や転帰の方向性を検討する段階では、ご家族を交えたカンファレンスを実施します。病状の説明・回復の見通し・退院後に必要なサポート・介護保険サービスの活用方法などをご家族と一緒に確認し、退院後の生活設計を具体化します。また、退院前には在宅サービス事業者・ケアマネジャー・転院先のスタッフを交えた情報共有カンファレンスを行い、院内での支援を地域にスムーズに引き継ぎます。
状況や目的に応じて柔軟にカンファレンスを設定することで、患者さまの変化に迅速に対応し、入院から退院後まで切れ目のない支援を実現しています。

症例検討カンファレンス
治療やリハビリが計画通りに進まなかったり、課題解決が担当スタッフのみでは困難な症例について、担当医や担当スタッフ以外のメンバーも参加して検討会を行います。

家屋調査・屋外活動について
家屋調査
家屋調査は、ご自宅への退院を予定されている患者さまを対象に行います。リハビリスタッフが実際にご自宅を訪問し、玄関や廊下、階段、トイレ、浴室などの様子を確認します。
患者さまの状態に合わせて、入院中や退院前にご自宅を訪問し、ご自宅で安心して生活を送るために必要なことを一緒に考えていきます。また、ご本人やご家族のお話を伺いながら、動きやすい環境づくりや福祉用具の活用方法、生活の工夫などについて必要に応じてご提案します。
住み慣れたご自宅で安心して生活を続けられるよう、一人ひとりの暮らしに寄り添った支援を行っています。

- 入院早期にご自宅へ訪問してご自宅の環境を確認
※ご自宅が遠方の場合など、家屋調査が難しい場合は、間取りや写真などをご家族様に依頼することがあります。
- 情報を多職種で共有し、入院中の過ごし方やリハビリプログラムへ反映させ、退院後の環境調整も検討
屋外活動
退院後の生活を見据えて、実際の生活に近い環境で安全に歩く力を身につけるために行います。当院の敷地内には、平らな道だけでなく、坂道や砂利道などさまざまな路面があり、患者さまの状態に合わせて練習することができます。
リハビリスタッフが付き添い、安全に配慮しながら歩行練習を進めるため、屋内では気づきにくい課題を確認し、自信を持って外出できるよう支援しています。
一人ひとりの目標や生活環境に合わせて練習内容を工夫し、退院後も安心して地域で生活できるようサポートしています。

ピクトグラム活用
はじめに当院の回復期リハビリテーション病棟では、患者さまが「できる動作」を実際の病棟生活の中でも「している動作」へと結びつけていただけるよう、さまざまな工夫を行っています。その一つとして、起居・移乗・移動・トイレといった日常生活動作(ADL)の状況を、わかりやすいイラスト(ピクトグラム)を用いて管理する取り組みを行っています。
ピクトグラムによる管理方法
患者さまそれぞれの「起居(立ち上がりや体の向きを変える動作)」「移乗(ベッドから車椅子などへの乗り移り)」「移動(歩行や車椅子での移動)」「トイレ」の動作について、現在どの程度の介助が必要かを、誰が見てもひと目で分かるイラスト(ピクトグラム)で示しています。このピクトグラムは、ベッド周りなど患者さまに関わるスタッフの目に入りやすい場所に掲示し、医師・看護師・リハビリスタッフなど多職種で共有しています。これにより、関わるスタッフ全員が患者さまの「できる力」を正しく把握し、同じ対応を行うことができます。


過介助を防ぎ、ADLの向上をめざして
情報をスタッフ間で統一することで、必要以上に手伝ってしまう「過介助」を防ぎ、患者さまが本来持っている力を生活の場面で発揮していただけるようにサポートします。これにより、リハビリの時間だけでなく、病棟での生活全体を通して自然な形でADLの向上につながることを目指しています。患者さまが安心して、ご自身のペースで日常生活動作に取り組める環境づくりに、今後も努めてまいります。
退院支援の取り組み
入院中から退院後の生活を見据え、医療ソーシャルワーカー(MSW)が中心になって医師、看護師、療法士とともに、ご本人・ご家族の希望や生活状況を確認し、安心して退院できるよう支援します。必要に応じて介護保険や福祉制度の利用をお手伝いし、ケアマネジャーや医療・介護機関などと連携します。ご自宅への退院では、住環境の確認や退院前の話し合い、退院後に必要なサービスの調整などを行います。施設への入所では、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設など、それぞれの特色をご説明し、ご本人の状態や希望に合った施設を検討・相談します。転院が必要な場合は、病状に適した医療機関と調整し、転院相談を行います。
退院後の生活支援
退院後も自宅から通院しながら、リハビリテーションを継続して受けていただけます。入院中の治療経過や生活背景を踏まえたうえで、その時々の体の状態に合わせた訓練内容をご提案します。
「退院後しばらくは自宅での生活の様子を見ながら訓練を続けたい」「仕事や趣味への復帰に向けてもう一段階機能を高めたい」など、患者さまそれぞれの目標やご希望に応じて、訓練の頻度や内容を調整しながら進めていきます。退院後の生活に無理なくリハビリを取り入れられるよう、外来でのサポート体制を整えています。
継続的なリハビリテーションは、身体機能の維持・向上だけでなく、安心して自分らしい生活を続けるためにも大切です。退院後も患者さまに寄り添い、一人ひとりの目標達成に向けてサポートいたします。
外来リハビリをご希望の方は、入院期間中に主治医または担当療法士へお気軽にご相談ください。
食事の相談
減塩や糖尿病などの栄養指導、外来栄養指導、宅食配の紹介など
医療・介護のご相談
患者さま、ご家族が安心して生活できるように受診先の医療機関・訪問介護・ケアマネージャーと情報共有を行い、引継ぎを行っています。
訪問リハビリ
退院後も安心して生活を続けていただけるよう、必要に応じて訪問リハビリによる支援を行っています。住み慣れたご自宅での生活状況に合わせたリハビリを提供し、退院後の生活をサポートします。
リハビリテーション部のご紹介
理学療法(PT:Physical Therapy)スタッフ:39名
理学療法では、立つ・歩く・座るといった基本動作のリハビリテーションを中心に、筋力強化や関節可動域の拡大、バランス能力の向上に取り組んでいます。痛みの軽減や転倒予防にも配慮しながら、安全で効果的な身体機能の回復を目指します。

作業療法(OT:Occupational Therapy)スタッフ:21名
作業療法では、食事・更衣・入浴などの日常生活動作に加え、家事や趣味、仕事といった生活行為全般に対してリハビリテーションを行っています。心身機能の回復だけでなく、その人らしい生活の再構築を目標に、環境調整や福祉用具の提案も含めた支援を行っています。

言語聴覚療法(ST:Speech Language Hearing Therapy)スタッフ:12名
言語聴覚療法では、失語症や構音障害などのことばの問題、記憶や注意といった認知・高次脳機能の課題、さらに嚥下機能の評価・訓練を行っています。コミュニケーション能力の向上と安全な食事の実現を通して、安心して生活できる環境づくりを支援しています。

実績
-
年間入院患者数
668人
-
平均在院日数
60.6日
2025年度 全国平均:70.2日
-
在宅復帰率
83.7%
2025年度 全国平均:78.7%
-
重症患者率
49.5%
-
実績指数
57.4
2025年度 全国平均:49.7
年代別入院患者数(2025年度)
| 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 80代 | 90代 | 100代 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 人数 | 3 | 1 | 3 | 18 | 44 | 157 | 302 | 137 | 3 |
| 人数 | |
|---|---|
| 20代 | 3 |
| 30代 | 1 |
| 40代 | 3 |
| 50代 | 18 |
| 60代 | 44 |
| 70代 | 157 |
| 80代 | 302 |
| 90代 | 137 |
| 100代 | 3 |
地域別入院患者数(2025年度)
| 茨木市 | 高槻市 | 豊中市 | 伊丹市 | 亀岡市 | 京都市 | 島本町 | 守口市 | 寝屋川市 | 吹田市 | 摂津市 | 箕面市 | その他 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 人数 | 250 | 104 | 10 | 1 | 1 | 4 | 1 | 2 | 1 | 30 | 9 | 12 | 15 |
| 割合 | 56.8% | 23.6% | 2.3% | 0.2% | 0.2% | 0.9% | 0.2% | 0.5% | 0.2% | 6.8% | 2.0% | 2.7% | 3.4% |
| 人数 | 割合 | |
|---|---|---|
| 茨木市 | 250 | 56.8% |
| 高槻市 | 104 | 23.6% |
| 豊中市 | 10 | 2.3% |
| 伊丹市 | 1 | 0.2% |
| 亀岡市 | 1 | 0.2% |
| 京都市 | 4 | 0.9% |
| 島本町 | 1 | 0.2% |
| 守口市 | 2 | 0.5% |
| 寝屋川市 | 1 | 0.2% |
| 吹田市 | 30 | 6.8% |
| 摂津市 | 9 | 2.0% |
| 箕面市 | 12 | 2.7% |
| その他 | 15 | 3.4% |
よくあるご質問
リハビリは毎日ありますか?
回復期病棟では1日2時間365日、疾患によっては3時間毎日リハビリを行っております。
嚥下機能とはなんですか?
嚥下(えんげ)とは、「食べ物や飲み物を口から飲み込み、食道を通して胃へ送る働き」のことです。嚥下障害とは、この飲み込みの機能がうまく働かなくなる状態を指します。
主な症状
- 食事中にむせる、咳き込む
- 飲み込みに時間がかかる
- 食べ物が口の中に残る
- ガラガラ声になる
- 誤嚥(食べ物や唾液が気管に入る)
などがみられます。
原因としては、脳卒中、認知症、パーキンソン病などの神経疾患のほか、加齢による筋力や感覚の低下、頭部外傷、神経や筋肉の病気など、さまざまな要因があります。
詳細についてはこちら高次脳機能障害とはなんですか?
高次脳機能障害では、身体に麻痺がほとんどなく普通に会話できる場合でも、日常生活や社会生活の中でさまざまな困難が生じます。たとえば、「約束を忘れてしまう」「同じ質問を何度もする」「作業の段取りが組めない」「一度に複数のことをすると混乱する」「感情を抑えにくく怒りっぽくなる」「周囲とのコミュニケーションがうまくいかない」といった症状が見られます。
本人は「以前と同じようにできる」と感じている一方、周囲からは「怠けている」「やる気がない」「性格が変わった」などと誤解されることも少なくありません。
しかし実際には、脳の損傷によって情報処理や感情調整の機能が低下しているため、自分でもうまくコントロールできない状態です。
特に、仕事や学校、家庭生活では、「ミスが増える」「疲れやすい」「臨機応変な対応が難しい」「人間関係のトラブルが起きやすい」などの影響が出ることがあります。
高次脳機能リハビリでは、どのようなことを行いますか?
高次脳機能障害の症状は一人ひとり異なるため、リハビリの内容も患者さまごとに異なります。当院では、症状や生活環境、目標に合わせて訓練内容を組み立て、記憶力や注意力などの認知機能訓練や、日常生活を想定した実践的な訓練を行い、社会復帰に向けた支援を行っています。
医療ソーシャルワーカー(MSW)は何をする職種ですか?
医療ソーシャルワーカー(MSW)は、病院における「生活・福祉の相談窓口」を担当する職種です。
医療費の不安、退院後の住まい、介護保険の申請、転院先や施設の手配など、医療だけでは解決できない「生活面・社会面の問題」を専門に支援します。
資格としては社会福祉士を有していることが一般的で、入院中から患者さまやご家族と関わり、退院後の生活をイメージしながら安心して準備できるよう橋渡し役を担います。
退院はゴールではなく、新たな生活のスタートです。患者さまが安心してご自宅での生活を送り、その人らしい暮らしを取り戻せるよう、家庭復帰・社会復帰に向けた支援を行っています。
ケアマネジャーとはどのような業務をするのですか?
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、地域(在宅)で生活する方の「介護サービスの調整役」です。
介護保険を利用して、訪問介護・デイサービス・訪問リハビリなどを組み合わせたケアプランを作成し、ご利用者が安心して生活を続けられるよう継続的に支援します。
病院ではなく、居宅介護支援事業所や介護施設に所属していることが多く、退院後の生活を地域で支える重要な役割を担っています。
MSW(医療ソーシャルワーカー)が「退院までの院内の相談窓口」だとすると、ケアマネジャーは「退院後の地域での相談窓口」というイメージです。
退院前カンファレンスは、必要に応じてMSWやケアマネジャーなど多職種が集まり、院内での情報を地域へスムーズに引き継ぐ重要な場となっています。












