当センターの概略

臨床検査科では、臨床検査技師12名が、血液検査や尿検査などの検体検査、心電図やエコー検査などの生理検査に従事し、病気の早期発見・診断・治療に必要な情報を提供しています。当科は殆どの検査で依頼からデータ報告までをコンピューターで管理しており、また休日・夜間も当直者が検査要請に対応し、地域の皆様の健康に貢献すべく、スタッフ一同が迅速で精度の高いデータの提供に励んでいます。

 

検査業務の紹介

臨床検査科は、患者様の身体を直接的に検査する生理検査と、血液や尿など患者様から採取されたものを扱う検体検査があり、検体検査はさらに4つの係に分けられ、それぞれの係が専門性を持って業務にあたっています。
以下に当検査科の各係についてご紹介します。

生化学検査

主に血液から血球成分を除いた血清や血漿といわれる液体成分を材料とし、各臓器の機能や疾患の指標となる数多くの項目を測定しています。主なものとしては、

  • 酵素 ・・・・・ GOT(AST)・GPT(ALT)・γーGTP・アミラーゼなど
  • 脂質 ・・・・・ 総コレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪など
  • 蛋白質 ・・・・・ 総蛋白・免疫アルブミンなど
  • ホルモン ・・・ インスリン・BNP・TSHなど
  • 電解質 ・・・・・ ナトリウム・カリウム・カルシウムなど
  • 腫瘍マーカー ・・・ AFP・CEA・CA19-9・PSAなど

他にも血糖・尿酸・クレアチニン・CRP・リウマチ因子・血液ガス、ウイルス感染症検査などがあります。また尿や胸水・腹水を用いて上記の検査項目を測定することもあります。

血液検査

血液検査係では主に3つの業務内容を行っています。

  1. 血球算定
    赤血球数やヘモグロビン濃度を調べて貧血の程度を、白血球数から感染症の可能性を、また血球像を顕微鏡で観察することで白血病や悪性リンパ腫などの疾患の有無を調べます。
  2. 凝固検査
    血液から血球成分を除いた血漿を使い、血液が固まるために必要な各種の凝固因子を測定して、出血の止まりやすさや血管内に血栓ができている可能性を調べます。またワーファリンなどの血を固まりにくくする薬の量のコントロールにもこの検査が必要とされています。
  3.  輸血検査
    輸血をするにあたり血液型を調べ、血液センターから届いた血液を体内に入れてよいかを調べる交差適合試験を行います。

一般検査

一般検査係は尿・便検査が主な業務で、他に髄液検査なども実施しています。

  1. 尿検査
    ほとんどの患者様で尿は苦痛なく採取でき、しかも体調をよく反映するといわれています。尿の主な検査項目は 蛋白質・糖・血液成分・ビリルビンなどで、さらに尿を遠心分離して有形成分を顕微鏡で観察し、腎~尿路の出血や感染症についても調べています。
  2. 便検査
    主に腸管の出血がないか調べます。近年は免疫法でとても感度がよく、肉眼ではまったくわからないものでも検出できるようになっています。

細菌検査

細菌検査係では、喀痰・尿・便・血液・各種体液など、細菌やウイルス感染が疑われる検査材料を培地で培養し、菌が増殖したら菌塊の特徴や性状、形態をもとに菌種を同定し、さらにその菌に有効な抗菌薬も調べています。またインフルエンザやノロウイルスの迅速検査も行っており、感染症の診断・治療に直結した検査係といえます。
当係では最新の自動測定装置を2019年から導入し、これまでよりもより精度の高いデータをより速く報告できる体制を整えています。

生理検査

生理検査は、患者様の体から直接的に様々な情報を得る検査で、検体検査と違い、患者様ご自身を検査対象としている部門です。主な検査には以下のものがあります。

  1. 心電図検査
    心臓の筋肉が活動する時の電位を波形で表したもので、心臓の収縮周期、刺激の発生と伝わり方、不整脈の鑑別、心肥大、心筋梗塞などの診断材料にします。
  2. 負荷心電図
    患者様に階段昇降などの運動をしていただき、運動前後の心電図の変化から労作性狭心症(冠状動脈の動脈硬化により起こる)の有無を調べます。
  3. 肺機能検査 ・・・ 肺活量や1秒率の値から拘束性疾患(間質性肺炎、肺線維症、塵肺など)や、閉塞性障害(肺気腫、気管支喘息、上気道狭窄など)の有無がわかります。
  4. ABI/PWV
    下肢の動脈硬化の有無を調べます。動脈硬化による血管の詰まりや血管壁が硬くなっていないか、その程度がわかります。
  5. 脳波検査
    脳が活動する時に発する電位を記録し波形に表します。てんかんの診断・治療効果の判定に有用で、他に脳の器質性疾患の影響や、意識障害の原因検索にも行われます。
  6. エコー検査
    心臓、腹部、甲状腺、血管など、様々な部位を画像として観察することができますが、検査時の痛みやその他の弊害は全くありません。脂肪肝、胆石、腫瘍、腎結石、膿胞、動脈硬化や血栓の有無、心肥大、弁膜症、心筋梗塞などとても多くの有用な情報を得ることができます。

他にも日常生活中の心電図を24時間記録するホルター心電図、糖尿病による自律神節調節の障害度合いをみるCVR-Rなどがあります。

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