PCR非阻害型ウイルス不活化液を用いた臨床唾液検体におけるPCR反応性検討に関する研究について

研究機関   北大阪ほうせんか病院
研究責任者  田中 彰宏

このたび北大阪ほうせんか病院では、PCR非阻害型ウイルス不活化液を用いた臨床唾液検体におけるPCR反応性に関する研究を実施しております。この研究を実施することによる患者さんへの新たな負担は一切ありません。また、患者さんのプライバシーの保護については法令等を遵守して研究を行います。あなたの試料・情報について、本研究への利用を望まれない場合には、下記までご連絡ください。

 1.研究の目的 及び 意義

新型コロナウイルス感染症に対するPCR法による遺伝子検出法において、検体の採取及び輸送時に医療従事者や輸送業者が感染性病原物質に暴露する事が懸念されている。中でもセルフPCR検査の検体の取り扱いに関しては唾液検体に不活化液を加えずに返送する例も見られたため、現在多くの輸送業者はセルフPCR検査の唾液検体に対して、「検体の不活化」を取り扱い条件としている。

しかし、市販されている既存のウイルス不活化液はPCRを阻害する物質を含んでいるため、核酸を分離せずにPCR反応液を作成するダイレクトPCR法に使用することができない。一方で、弊社が開発した「ウイルス不活化液VG」は、非臨床検体を用いた研究においてウイルスを速やかに不活化させるだけでなく、PCR反応を阻害しない事を確認している。本研究により臨床検体を用いたPCR反応性検討を行なう事で、簡便かつ安全に検体を不活化し郵送できるウイルス不活化液の開発を行なうことを目的とする。

 2.研究の方法

研究実施期間

2021年3月1日 ~2022年2月28日まで

研究の種類

臨床性能試験(実検体)

SARS-COV2 陽性者及び陰性者における唾液検体を用いて、保存液として「ウイルス不活化液VG」と既存のウイルス保存液(UTM)を使用した2群を作成する。両群において タカラPCRキットによるダイレクトPCRを行ない、陽性一致率、陰性一致率を評価する。

試験のアウトライン

陽性だ液検体及び陰性だ液検体(いずれも生検体)を各30サンプルずつ研究対象として使用する。

各サンプルに対し、既存のウイルス保存液で希釈した群とウイルス不活化液VGで希釈した群を調製し、タカラダイレクトPCRキットの記載の手順に沿ってPCRを行なう。各サンプルの PCR 反応時の Ct値が35以下のもの「陽性」と判断する。ウイルス保存液とウイルス不活化液VGを用いてPCRを行なったサンプルの陽性一致率、陰性一致率を評価すると共に、各サンプルの Ct値の評価も行う。

 試験薬の概要

試験薬名:ウイルス不活化液VG

概要:サンプルに存在する可能性があるウイルスを迅速に不活化し、感染リスクが大幅に低減されることにより安全を確保できると共に、ダイレクトPCR に使用可能な状態で核酸成分を保存することが可能。

ウイルス不活化効果:ウイルス不活化効果の評価は、ヒト季節性コロナウイルスに対してウイルス不活化液VGを室温で10分間接触させ、ヒト胎児繊維芽培養細胞に感染させた場合の感染力価が減少することを、培養細胞に50%障害性を与えるウイルス量の減少から求める。

 

3.研究組織

【研究代表者】
株式会社ビズジーン 代表取締役 開發 邦宏
【研究分担者】
株式会社ビズジーン 研究開発部・部長 尾形 勝弥
株式会社ビズジーン 受託解析部・部長 青木 大輔
株式会社ビズジーン 研究開発部・研究員 西谷 佳之

【連絡先】
〒567-0047 大阪府茨木市美穂ケ丘8-1大阪大学 産業科学研究所 オープンイノベーション棟OI-104
Phone:06-4864-4566/Fax:06-6170-4635

4.本研究に関する問い合わせ先

この研究についてご質問等ございましたら、下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの試料・情報が研究に使用されることについてご了承いただけない場合には研究対象とはしませんので、下記にお申し出ください。資料・情報の使用を断られても患者さんに不利益が生じることはありません。なお、研究参加拒否の申出が、既に解析を開始又は結果公表等の後となり、当該措置を講じることが困難な場合もございます。その際には、十分にご説明させていただきます。

研究に関する問い合わせの窓口

機関名:北大阪ほうせんか病院
担当者:田中彰宏
連絡先(電話番号) 072-643-6921(平日:9時~17時)

試料・情報を当該研究に用いられることについて拒否する場合の連絡先

機関名:北大阪ほうせんか病院
担当者:籔田 真基
連絡先(電話番号) 072-643-6921(平日:9時~17時)

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