放射線科の理念
適確な画像診断および治療を行えるよう、最適な画像を得る事を目標としています。また、患者様が不利益を被ることのないよう、適正な被曝管理を行います。
放射線科の特徴
一般撮影・消化管造影・CT・MRI・骨塩測定等の画像診断、特にCT・MRIにつきましては全件、画像診断専門医による画像診断がなされます。さらに、IVR専門医による下肢静脈瘤レーザー焼灼術・CVポート埋め込み術・Picc挿入術などをおこなっています。
当院のCT装置(64列マルチスライスCT)、MRI装置(1.5T)は、従来の装置と比べより細かく短時間で撮影することができ、得られた膨大なデータを画像ワークステーションで処理することにより、鮮明な立体画像(3D)の作成が可能で、これによりさらに診断能力が向上しています。
地域の医療機関さまからの諸検査の依頼にも迅速に対応しており、読影レポートにつきましても、特別の事情が無い限り即日FAXで返信させて頂いております。ぜひ、お気軽にご相談下さい。検査についての質問、不安な点がございましたら下記までご連絡ください。
医療法人成和会 北大阪ほうせんか病院 放射線科 TEL:072-643-6921 内線321
一般撮影検査(胸部レントゲン・骨撮影など)
大規模画像ネットワーク
当院は医療画像ネットワークシステムによりフルデジタルで撮影を行っており、成和会グループ内の医療施設において画像を参照することが可能です。また、紹介施設からの画像を取り込み、診察での素早い画像参照が可能です。セキュリティ対策として、必要なデータをクラウドにも置くことにより、万が一ご利用の方のデータに障害があった場合においても、即日復帰させることが可能です。
胸部X線画像病変検出ソフトウェア
当院では、胸部X線画像病変検出ソフトウェア(CXR―AID)を導入しており、AIによる細かな検出により小さな病変も見逃さず、診療医師に伝えることできています。
DRシステム(デジタルラジオグラフィ)
DR装置は、コンピューター処理により、放射線量の情報を画像に変換しています。
撮影した画像を加工することによって診断価値の高い画像を提供することができます。当院は、FPD(フラットパネルディテクタ)により完全デジタル化しており、VG(バーチャルグリッド)などの画像処理技術により、被爆の低減を日々検討しています。
FPD(フラットパネルディテクタ):半導体検出器により、X線をダイレクトに測定し、画像に変換するシステムです。
VG(バーチャルグリッド):X線を照射された人体からでる、散乱線といわれる画像のノイズを推定し除去するデジタル処理です。
長尺撮影システム[島津社製RADspeed Pro SRS]2025年4月設置
脊椎全体像や下肢全体像を把握するための撮像である長尺専用のシステムを導入しています。
これにより、脊椎全体像撮影では脊椎のアライメントを正確に把握できるようになり、下肢全体像では、下肢の負荷ポイントが一目でわかるようになっています。

TV検査(胃透視・脊髄腔造影・嚥下造影など)
X線透視検査装置[島津社製 SONAL VISION G4]
X線を利用し造影検査・透視検査・診断・治療をおこなう多目的な検査室です。
- 胃十二指腸造影(胃バリウム検査)
- 下咽頭食道造影
- 嚥下造影(VF)
- 注腸造影
- 内視鏡的逆行性胆管膵管造影
- 経皮経肝胆管ドレナージ術
- 脊髄腔造影
- 関節腔造影、整形外科造影
- 逆行性腎盂造影、膀胱造影、泌尿器科造影、その他造影検査

CT検査(コンピュター断層検査)
CT検査装置[シーメンス社製 SOMATOM go Top]2025年4月設置
当院ではマルチスライスのヘリカルCT(64列)を導入しています。このCTは、ドイツ シーメンス社製の先鋭機種であり、AI機能が飛躍的にに向上しつつ、検査の短時間化を可能としています。従来のCTに比べ高速で撮影できるため、短い時間で広範囲の撮影が可能であり、なおかつ高精細の画像を得ることができます。低管電圧撮影(70kV)が可能なAlthlon X 線管、散乱線除去3D グリッド、Tin Filterを搭載し、従来と変わらない放射線量で、さらなる高画質化を実現しています。

ワークステーション 富士フイルムメディカル社製 VINCENT
当放射線科では、様々な画像の処理、加工、解析することができるワークステーションを導入しています。このワークステーションは、CT画像やMR画像のデータを取り込むことにより、3次元表示や機能解析が可能です。
MRI検査(磁気共鳴画像検査)
MRI検査装置[シーメンス社製 MAGNETOM Altea 1.5T]2025年4月設置
MRI(磁気共鳴画像)検査とは、レントゲン撮影やCT検査のようにX線を使わない代わりに、強い磁石(磁場)と電波(RF波)を使い人体で最も多い成分の水素原子(水や脂肪など)の状態を画像にする検査です。

MRIの利点
- X線被曝がありません。
- 血管病変も造影剤なしでも描出することが可能です。(造影剤を用いると更に詳細な画像が得られます)
- CT検査に比べ脳、脊椎、軟部、婦人科疾患の診断に優れています。
MRIの欠点
- CT検査と比べ検査時間が長くなります。(約15分~40分)
- 検査時の騒音があります。(工事現場のような大きな音がします)
新機種による改善点
- 同社旧機種に比べ短時間で高精細な画像診断が可能となりました。
- 検査時の騒音も低減され、開口部も広く(開口70cm)、狭いところが苦手な方も安心して受けていただけます。
- 頭部検査においても、ヘッドホンの使用が可能になり、快適に検査を行うことができます。検査中は音楽を流し、患者様の不安取り除く工夫しています。
当院ではMRIを使ったA.D(アルツハイマー型認知症)の診断も行っています。VSRADと呼ばれるソフトを用いて、診断を行います。
早期AD型認知症に特徴的な、脳の海馬と呼ばれる部分の萎縮の程度を解析します。
MRI検査にあたっての注意
- 禁忌事項
- ペースメーカー、材質の分からない脳動脈クリップ
- 妊娠初期、体内金属のある人(医師の許可があれば検査可能)
- 持ち込み不可のもの
- 下記の物は、検査に影響したり、故障したりすることがあります。検査前に必ず外しておいてください。
- ペースメーカー、材質の分からない脳動脈クリップ
- 妊娠初期、体内金属のある人(医師の許可があれば検査可能)
- ヘアピン、メガネ、ネックレス、時計、入れ歯、ブラジャー、その他アクセサリー、カイロ、持続型血糖測定器(リブレ等)、マグネット式付け爪など
- 財布(キャッシュカード、プリペイドカードなど)
- その他
- 検査時間が長いことや、騒音のため不穏の方は、検査できない場合があります。
- 検査の内容によっては、絶食でお願いすることがあります。
- 閉所恐怖症の方は検査が出来ない場合があります。
骨密度測定検査
近年、高齢化社会にともない、骨折の原因となる骨粗鬆症への関心が高まっています。現代の食生活の変化、無理なダイエットによる骨密度の減少で骨折をおこしやすくなり、骨折の中でも脊椎の圧迫骨折や大腿骨頚部骨折は寝たきりの原因ともなります。骨密度を測定することにより骨密度の減少を早期に発見し、骨折の原因となる骨粗鬆症の予防や適切な治療を行うことを目的としています。
骨密度測定検査装置[GEヘルスケアジャパンLUNAR PRODIGY FUGA‐C ADVANCE]
骨粗鬆症の診断基準としてBMD〔骨密度:骨量÷面積〕で表示し、若年成人比較〔20-44歳平均〕及び同年齢比較をおこないます。

当院では、骨粗鬆症の診断および治療効果判定に最も多く使用されて精度に優れているDXA法〔二重エネルギーX線吸収測定法〕を用いた装置を導入しています。
DXA法とは、2種類のエネルギーレベルのX線を用いて骨成分を測定する方法です。主に腰椎正面、大腿骨頚部の骨密度を測定します。
検査は、約5分程仰向けに寝ていただいた状態でおこないます。
X線の被曝線量〔実効線量当量〕は、一番被曝量の多い全身測定でも胸部X線撮影の約1/10程度とごくわずかです。



